下流大学に入ろう!。 [私の本棚]
筆者の山内氏とは、講演会などで同席したこともあり、面識があります。同じ年齢でもあることから、
同世代の教育ライターとしても私は、山内氏には一目を置いています。
そんな山内氏の最新作である「下流大学へ入ろう!」。
内容としても文章の構成としても非常に良い内容なのですが、2点残念な点があります。
1つ目は、「タイトル」。
やはり、タイトルと内容に、どうしても誤差が生じています。
その差を埋めようとプロローグに相当のページ数を割いていますが、
私としては、言いたい本質がわかっているだけに、正直このページは、他大学の紹介に割いて欲しかったです。
でも、なぜ、このようなタイトルになったかも少しですが、察しています。
それは、たぶん、普通のタイトル(例えば、「山内太地の大学訪問記」)では、絶対に売れません。
そこで、編集者などが「売れるためには、少々大学を批判するようなタイトルを!」と求めて、山内氏も、
これに応じられたのではないか?と察しています。
2つ目は、「文中の表記」。
なぜが、文中に「日本語・英語の二重言語表記」があることである。ルー大柴より、単語自体のレベルは高いものの、なぜ、二重言語表記なのかもわからない。山内氏自身と話していても、このような二重言語表記で話していたところを見たことも聞いたこともない。
なので、その点は気になる。今度、あったら是非、聞いてみたいところでもある。
ただ、内容は良いので、高等教育(大学)業界に身を置く人であれば、読んで損はない1冊である。
ただ、内容は良いので、高等教育(大学)業界に身を置く人であれば、読んで損はない1冊である。
そういった意味でも、山内氏の今後の活躍には、個人的にも期待しています。
「山内さん。頑張ってください!。」
山内太地ブログ「世界の大学めぐり」
では。また。
2008-12-27 00:00
コメント(4)
トラックバック(0)
この本のタイトルは
三浦展氏の「三流大学が日本を滅ぼす」の強烈なカウンターパンチだと理解しています。
東大の苅谷剛彦氏、そして三浦展氏が、いっていることは格差社会の中で年収が低い家庭(いわゆる「下流」)は下流にしかならないという格差固定論です。
そして偏差値の低い大学はそうした下流を相手にしているどうしようもない大学という図式で議論を展開しているのです。
では、年収が低い家庭の中に優秀な素質の学生がいないでしょうか。
このことはちょっと考えればすぐにわかることです。
可能性を見出していくことこそが「教育」です。
それを山内氏は言いたかったのでしょう。
by blackcoffee (2008-12-28 13:23)
著者の山内です。ご紹介ありがとうございます。
タイトルや英語表記の秘話は、ぜひ、お会いした時にでも。
by 山内太地 (2009-01-03 06:09)
山内さん。
あけましておめでとうございます。
リンク頂きありがとうございました。
このブログで、山内さんが取材したいと思うような内容が掲載できるように努力したいと思いますので、今年もよろしくお願いします。
by teraoken (2009-01-03 11:45)
おっしゃる通りではないかと思います。
いわゆる『下流大学』に関して問題がありますが、すべてではないのかもしれませんね。
今は社会構造がIT社会で変わっているとは思いますが。
自分も運営しているBLOGで若干、大学のことも書いています。
ただ、どうしても『Fランク大学』でひどい大学はあるのですがすべてではないと思いますし、今や有名大学でも底辺大学卒の社会人学生を受け入れていますので。
個人的な意見では学歴よりも学ぶ意欲が大切なのかもしれませんね。
by kimyu (2009-06-14 19:40)